【コラム】歯を抜いたり抜髄をしたりしてはいけない

   2020/10/28

 きちんと診察して診断ができると、抜歯する症例はあまりありません。しかし、歯科医院に痛みがあって来院すると、麻酔をして抜髄(根の治療)をすることが多々あります。そしてその後再治療を繰り返し、抜歯に至る確率は約70%と非常に高いのです。なぜこうなるのかというと、健康な歯の内部は血液で満たされていて血管と神経が密に詰まった状態ですが、抜髄時にそれらを守っているエナメル質と象牙質を大きく削り、血液、血管、神経を取り除くことで穴が根の先まで繋がるので感染をするのです。大きく削ることで歯は薄く、より壊れた状態(破折、脱離もしやすい状態)になります。ゴム製シートやマイクロスコープを使っても、感染確率がいくらか下がる程度で、100%は防げません。ですから、簡単には神経を取ってはいけないのです。当院では3MIX-MP法(R)を中心とした治療で抜歯、抜髄を防いでいます。

(MYTOWN SHINYURI 2020年10月号掲載)