【コラム】日本人の歯周病成人罹患率は約8割 (3)

 

 重度の歯周病の場合、歯はグラグラになり自然に脱落します。この自然脱落は歯が壊死した状態なので、ほとんど痛みを感じることなく抜けます。壊死した状態なので助けることはできません。抜歯は生きている歯に負荷を掛けるので出血を伴います。

 破折や穿孔、嚢胞があるといった歯は病気ですが生きているので、これらの場合での抜歯は術者の力量不足であることが多いと思います。かかりつけ医に治療困難と判断されたらセカンドオピニオンをおすすめします。歯科治療の多くは外科なので、治療方法に納得がいかない場合は数名の医師に聞くべきです。

 抜いた後はどうなるのかも大切です。骨が薄くなった重度の歯周病の場合、治療は困難ですが、抜いてインプラントを入れると言われたなら、骨はしっかりしているということなので治る可能性は高いといえます。安易に抜いてしまい後悔をするのは患者さんです。当院では、天然歯を残す治療を行っています。

(MYTOWN SHINYURI 2022年9月号掲載)